「共家事(ともかじ)」を実現するキッチン

夫婦や家族がみんなで協力し、共に(一緒に)家事をすること、すなわち「共家事(ともかじ)」。家にいる時間が増えたこともあり、これまであまり家事をしてこなかった人も家事をする機会が増えたのではないでしょうか?

今回は、個人宅の片づけのほか、新築・リフォーム時の収納コンサルティングやセミナー講師としても活躍中の収納のプロ、高山一子さんにキッチンの「共家事化」について教えていただきました。

 

▮共家事って知ってる?

共家事って聞いたことありますか?買い物や掃除などの家事を家族や夫婦で協力して、一緒に行うことを言います。
忙しいときに家事をお願いしようと思っても、普段やっていない人にとっては難しいものです。また、家事を教えることも意外と大変な作業です。

普段から、買い物や掃除などを家族や夫婦で協力して一緒に行うことで、いざというときに家事を任せることもできます。
協力して家事を行えば、やり方を覚えられるし、得意な家事が見つかって、自然と分担ができてくるかもしれません。

 

▮誰にもわかりやすい「適材適所」の収納

「キッチンの共家事化では、どこに何があるか説明しなくてもわかるように、モノを動線上に配置することがポイントです」と高山さん。
適材適所に収めることで、大人はもちろん子どもでもわかりやすいモノの「指定席づくり」をするのだそう。

 

 

【適材適所の考え方】
加熱調理エリア…鍋やフライパンなど、火を使う調理用品を収納
下ごしらえエリア…キッチンツールや調理用品、調味料など小物を収納
洗い作業エリア…包丁やざる、ボールなど水を使う調理グッズ、洗剤やラップ類を収納

 

キッチンエリアの収納を考えるときは、初めにエリアごとに収納するモノを考えます。次にモノの大きさを考えて指定席を決めていきます。最後に使用頻度に合わせて余った場所に収めていきます。

食器棚の一番上の引き出しには、カトラリーなどの小物を。子ども用の食器は、子どもが自分で取り出しやすい位置に配置します。

「お弁当を作るご家庭では、一番上の引き出しにお弁当グッズを収納することで、引き出しを出したままお弁当グッズを取り出しせるので便利ですよ」と高山さん。

高山さんのご自宅では、娘さんが中学生の頃、お友だちを招いてお菓子作り会をしたとき、はじめて高山さんのキッチンを使用するお友だちもスムーズに調理道具を取り出し、もとに戻すことができたと言います。「家族はもちろん、家族以外の人が使っても迷わないような適材適所の収納が共家事化のポイントです」と話されます。

 

▮食べたい時に「すぐ出せる」食品ストックの収納

食品ストックは、あちこちに収納すると忘れてしまって、賞味期限が切れていた…ということも。
「食品ストックは在庫管理がしやすいようにできるだけまとめて収納します。家族構成やライフスタイル、キッチンの大きさや形状によって、食品ストックが数か所に分散してしまうこともあります。その場合は、未開封、開封済み、使用者や食品カテゴリーなど、家族がわかりやすい分類で収納することが大切です」。

 

▮共家事に必須。誰でもわかるラベリング

パントリーの画像高山さんのお住まいを拝見すると、キッチン横のパントリーは、収納ボックスすべてにラベリングがされています。
「ラベリングをしているのは、自分のためではなく家族のため。家族が迷わないようにつけています」と高山さん。
共家事では「あれはどこ?」「これはどこ?」と聞かれたら面倒になってしまうので、聞かなくてもどこに収納してあるかがわかる工夫をしたいですね。

 

▮何があるかがわかる「上から見渡せる」収納

高山さんは「キッチンを共家事化するときは、料理教室や小学校の家庭科室を想像してみて」と話されます。
料理教室のキッチンは、上から見たときに何がどこに入っているかすぐにわかるようになっています。
「上から見渡せるようにするためには、違う種類のモノを重ねないことが大切です。そうすることでモノが探しやすく、元に戻すことも簡単になります。開き扉の場合は、収納ボックスなどを利用して、収めたモノが見渡せるようにするといいですね」。

調味料など、上から見てすぐにわかるようにラベリング。

食器も一目瞭然。できるだけ同じ大きさや形ごとに収納すると、探しやすく元に戻しやすい。

ファイルボックスや収納用品を使って、モノが重ならないようにしながら空間を有効に活用。

 

▮イライラしない、誰でも「戻しやすい」収納

以前は、「家事は自分がしないといけないと思い込んでいた」という高山さん。自分だけが忙しく、しんどいと思いイライラしていたと言います。

今は、忙しい時は家族で協力して料理や片づけをしたり、家族がキッチンを好きに使ってもすぐに元に戻せる仕組みになっているので、乱れることがないそうです。

「共家事キッチンの収納は、誰でも戻しやすいことがポイント。モノがいっぱいで入らなければ、結局適当に置いてしまうことに。キッチンで使わないモノは別の場所へ移動させるなど、収納量は8割程度をめざし、必要なモノだけを収納するようにしましょう」。

これらの考え方は、家族構成やライフスタイル、子どもの年齢によっても変わります。また、共家事を夫婦で行うか、子どもも一緒なのかでも変わります。
キッチンを共家事化して、家族みんなで料理を楽しめるキッチンにしたいですね。

取材協力
Profile
高山一子さん
SMART-WORKS主宰
収納コンサルタント/ライフオーガナイザー
一般社団法人日本ライフオーガナイザー協会認定トレーナーとして活動するとともに、片づけ収納サービス、新築・リフォーム時の収納コンサルティング、収納や片付けの各種セミナー講師として活動。